*小説を携帯などからUPするスペースです。(かなり自分用です。)
*小話からプチ長編や、本編もちょくちょく更新すると思われます。
*かなりぶつ切りです。
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*コメントでの感想なども歓迎です。
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「はい」
あまり二人きりになる時間は少ない。
いつ何時も油断はしないと皆で示し合わせているから。
だが今日は皆が計らってくれた。
そのプレゼントは姉のレイからで、店売りの小綺麗にラッピングされたクッキーだった。
「…何が喜ぶか、分からなくて、そんなものになった。」
「……。」
同じ顔の弟は口をつぐんで、それを持ったまま動かない。
何か困っている様子に、彼女は首を傾げた。
「シェイ、甘い物は嫌いだったか?」
「いや…」
シェイディは眉間に小さくしわを寄せて、
荷物鞄から小さな袋を出した。
「…プレゼントが、被った」
渡したのとは違うクッキーの袋を受け取り、レイは目を丸くした。
心底驚いた。
プレゼントが同じだったとかそんなことではなく、自分を忌み嫌っていたシェイディがプレゼントなんて用意していたことに。
「…一緒に食べようか。」
「…………なんか滑稽だからいい。」
男二人。
しかも同じ顔がならんでクッキーを食べている。
確かに少し滑稽かもしれない。
「そんなこと言うなよ」
「いいって。やることもあるし…」
「残念だな。二人の時間の方が嬉しいプレゼントになるんだが。」
そう言うと、シェイディは返さずしばし黙り込んだ。
やはり、まだ二人だけになるのは不安もあって嫌だったのかもしれない、とレイは内心苦笑いした。
「…姉さんは」
「うん?」
「姉さんは俺をどう思ってるんだ?」
不意にそんなことを聞かれ、レイは固まった。
「昔俺に執着してたのは分かる。でも何で執着してたか分からない。ただの弟って扱いじゃなかった。」
「そうだな。嫌な思いをたくさんさせた。」
「…ああ、だから俺はてっきり姉さんに憎まれてるのかとも思った。でも今は気遣ってくれるし、そんな恋人まがいな言葉も吐いたりして。」
確かに、正直な気持ちを口にしたのだが、クサかったかもしれない。
「シェイのことが、ただ好きだからだ。」
「…それも、分かる。…ただ…」
シェイディは言いにくそうに口をひきむすぶ。
だが彼が言いたいことは何となく察した。
姉弟として好きなのか。
恋人として好きなのか。
場合によってはレイの好意を受け入れかねるだろうから、シェイディはそれを気にしていたのだ。
唇が自然と笑みを浮かべた。
「姉弟よりも、恋人よりも、私自身よりも」
その笑みはどこか、なにもかもを諦めていた。
「お前を愛してる」
自分と同じ姿をした弟。
彼が自分だったらよかったのに。
この体が別々でなければよかったのに。
世界に二人だけがいればよかったのに。
そう思うくらいに、ただ彼だけを…
「お前の目が私だけを見て、私だけを求めて、私の名前だけを呼べばいい。他の誰にも一切触れられない、私だけのものになればいい。」
「……。」
シェイディは無意識に、身を引いていた。
その様子を見て、レイは表情を和らげた。
「と、昔は思ってたよ。」
「…………今、は」
「今は、シェイにはもっと世界を見て、楽しんで、幸せになってくれたらいい。」
先ほどまでの貪欲な独裁者のような顔とは違う、優しい姉の顔をした。
「もっと賢く、強くなって、自分の道と、仲間を守れるように。…マナを守れるように。」
マナの名前を出した途端に、シェイディの頬に薄く朱が差した。
「私は、その手伝いができればいい。そう思ってるよ。」
ただ、彼を求める気持ちが無くなったわけではないけれど。
彼が自分だけしか見れなくなったら…
そうしたらそれが1番イイとは思うけれど。
「クッキー」
「うん」
「…一緒に、食べるか」
シェイディは恐る恐るといった感じにそう言う。
「………。」
「………。」
「シェイ」
「?」
レイが不意に詰め寄り
「!!!!??」
唇が重なる。
短い悲鳴が上がり、相手を突き飛ばしてシェイディが逃げるように下がった。
「…お前を傷つけることはもうしたくないが、隙だらけであまり可愛いことをしないほうがいい。」
更に、日頃常々思う。
どうせ同じ姿なら、自分が男で弟が妹で生まれてくればよかったのに。
そうしたら、シェイディを抱けたのに。
分かっていたが、それからしばらくは彼の半径1m以内に近付くことが許されなくなった。
あまり二人きりになる時間は少ない。
いつ何時も油断はしないと皆で示し合わせているから。
だが今日は皆が計らってくれた。
そのプレゼントは姉のレイからで、店売りの小綺麗にラッピングされたクッキーだった。
「…何が喜ぶか、分からなくて、そんなものになった。」
「……。」
同じ顔の弟は口をつぐんで、それを持ったまま動かない。
何か困っている様子に、彼女は首を傾げた。
「シェイ、甘い物は嫌いだったか?」
「いや…」
シェイディは眉間に小さくしわを寄せて、
荷物鞄から小さな袋を出した。
「…プレゼントが、被った」
渡したのとは違うクッキーの袋を受け取り、レイは目を丸くした。
心底驚いた。
プレゼントが同じだったとかそんなことではなく、自分を忌み嫌っていたシェイディがプレゼントなんて用意していたことに。
「…一緒に食べようか。」
「…………なんか滑稽だからいい。」
男二人。
しかも同じ顔がならんでクッキーを食べている。
確かに少し滑稽かもしれない。
「そんなこと言うなよ」
「いいって。やることもあるし…」
「残念だな。二人の時間の方が嬉しいプレゼントになるんだが。」
そう言うと、シェイディは返さずしばし黙り込んだ。
やはり、まだ二人だけになるのは不安もあって嫌だったのかもしれない、とレイは内心苦笑いした。
「…姉さんは」
「うん?」
「姉さんは俺をどう思ってるんだ?」
不意にそんなことを聞かれ、レイは固まった。
「昔俺に執着してたのは分かる。でも何で執着してたか分からない。ただの弟って扱いじゃなかった。」
「そうだな。嫌な思いをたくさんさせた。」
「…ああ、だから俺はてっきり姉さんに憎まれてるのかとも思った。でも今は気遣ってくれるし、そんな恋人まがいな言葉も吐いたりして。」
確かに、正直な気持ちを口にしたのだが、クサかったかもしれない。
「シェイのことが、ただ好きだからだ。」
「…それも、分かる。…ただ…」
シェイディは言いにくそうに口をひきむすぶ。
だが彼が言いたいことは何となく察した。
姉弟として好きなのか。
恋人として好きなのか。
場合によってはレイの好意を受け入れかねるだろうから、シェイディはそれを気にしていたのだ。
唇が自然と笑みを浮かべた。
「姉弟よりも、恋人よりも、私自身よりも」
その笑みはどこか、なにもかもを諦めていた。
「お前を愛してる」
自分と同じ姿をした弟。
彼が自分だったらよかったのに。
この体が別々でなければよかったのに。
世界に二人だけがいればよかったのに。
そう思うくらいに、ただ彼だけを…
「お前の目が私だけを見て、私だけを求めて、私の名前だけを呼べばいい。他の誰にも一切触れられない、私だけのものになればいい。」
「……。」
シェイディは無意識に、身を引いていた。
その様子を見て、レイは表情を和らげた。
「と、昔は思ってたよ。」
「…………今、は」
「今は、シェイにはもっと世界を見て、楽しんで、幸せになってくれたらいい。」
先ほどまでの貪欲な独裁者のような顔とは違う、優しい姉の顔をした。
「もっと賢く、強くなって、自分の道と、仲間を守れるように。…マナを守れるように。」
マナの名前を出した途端に、シェイディの頬に薄く朱が差した。
「私は、その手伝いができればいい。そう思ってるよ。」
ただ、彼を求める気持ちが無くなったわけではないけれど。
彼が自分だけしか見れなくなったら…
そうしたらそれが1番イイとは思うけれど。
「クッキー」
「うん」
「…一緒に、食べるか」
シェイディは恐る恐るといった感じにそう言う。
「………。」
「………。」
「シェイ」
「?」
レイが不意に詰め寄り
「!!!!??」
唇が重なる。
短い悲鳴が上がり、相手を突き飛ばしてシェイディが逃げるように下がった。
「…お前を傷つけることはもうしたくないが、隙だらけであまり可愛いことをしないほうがいい。」
更に、日頃常々思う。
どうせ同じ姿なら、自分が男で弟が妹で生まれてくればよかったのに。
そうしたら、シェイディを抱けたのに。
分かっていたが、それからしばらくは彼の半径1m以内に近付くことが許されなくなった。
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