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真っ暗な木造の屋敷を一同は進む。
ルナティスとセイヤが唱えるルアフの明かりが頭上から辺りを照らしているが、それでも通路の先や隅々までは照らせなくて、薄暗い奥にある暗闇から何かが出てくるのでは、と何も見えないより恐怖心を煽られる。
だがそれでも、意外にも一同の進む足は順調だ。
先頭を行くヒショウとルナティス、その後ろにいるマナがてくてく進んでいくからだ。
ウィンリーとレイヴァはこの手の恐怖に強いらしい。
メルフィリアとセイヤは酷く怯えているが、必死に着いていくので遅れはない。
「…皆さん、怖くないんですか?」
「も、もう少しゆっくり歩いて頂けません?」
震え上がっている二人をウィンリィが少し笑った。
「怖いもの置いてあるわけじゃないし、暗いだけじゃん。ちょっとビクビクしすぎだろ。」
「暗いだけで十分だよ…」
皆入る前は怖がっていたものの、ほとんどが入ってからはけろりとしているので、メンバーの声は比較的明るい。
「キャアアアッ!!」
突然、メルフィリアが悲鳴を上げて前を歩いていたマナに飛び付いた。
「あ、あのへんっ、女の人の顔があっ!」
震える彼女の様子に、セイヤとウィンリィまで怯えだしてしまった。
その方向へ、ヒショウが僅かに光る蛍石という発光石を掲げながらそちらへ歩いていった。
「……メルフィリア、ただの絵画だ。」
彼が照らしたのは可愛い女の子の肖像画。
薄暗いところで見るから不気味だが、日の下で見れば実にほほえましい絵画だろう。
「メル、お、脅かすなよっ…」
「だ、だって~」
涙ぐむ彼女に、マナが笑いながら頭を撫でてやった。「肝試しはこうじゃないとなー」
「ナイス、メル」
ルナティスは笑って彼女に向かって親指を起てた。
「う、うわっ!」
今度はウィンリィが声をあげた。
「そこに白いもやが」と言うが、またヒショウが確認すればただの壁のシミだった。
「アハハー、ウィンリィだって怖がりじゃないかー」
ルナティスが笑いながらそう言うと、ウィンリィは少しふて腐れた。
「ほらお前ら、根性ある二次職に育てよー。」
マナが笑いながらそんなことを言う。
ルナティスとマナには全く怯えた様子がなくて、怯えてばかりのメルフィリア達は彼らに感心していた。
「コホッ」
「「ひぎゃああああああああ!!!!!」」
突然、何かの小さな物音に二人はさっきとは打って変わり絶叫して泣き叫んだ。
「いやあああああ!!!??」
「うわあああああ!!!??」
「ぎゃあああ!!何何何イイイイ!!!」
それにつられて皆も叫びだし、その場が阿鼻叫喚となった。
「ちょ、なっ、ヒショウ、咳?ただの咳!?」
ルナティスが彼に詰め寄ると、彼はきょとんとして答えた。
「ああ、少し埃っぽくて。」
「脅かすなよっ!」
「そうだこの馬鹿!咳なんかすんな紛らわしい!」
メルフィリアとウィンリィの悲鳴は全くきにしなかったくせに、何故かルナティスとマナは過剰反応してヒショウの咳を責める。
「何だ、咳くらいで」
ヒショウの最もな反論に、マナが怒鳴った。
「お前がなんか行動するとシャレになんねーんだよ!自粛しろ!」
そう言って、またヒショウに前に進むように促した。
「ヒショウさんだとシャレにならない…って、ヒショウさんって霊感とかあるんですか?」
セイヤの質問に、彼は間髪置かずに「全然」と否定した。
「でもすぐにとり憑かれる癖がある。」
「……え。」
しばらく空気が固まった。
「つまり、ヒショウに何も異常がなけりゃここは安全ってことだ、なんかいたら真っ先にこいつが憑かれるから。」
笑いながらマナが説明する。
「まあ逆に、ヒショウに異常があったらここは危ないってことで、すぐに逃げようね!」
ルナティスが超にこやかな笑顔で言う。
「それって、攻略本見ながらゲームするのとおんなじようなものじゃないんですか…。」
「「先が分からないゲームは嫌い。」」
マナとルナティスの声がぴったり被った。
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