*小説を携帯などからUPするスペースです。(かなり自分用です。)
*小話からプチ長編や、本編もちょくちょく更新すると思われます。
*かなりぶつ切りです。
*携帯からの更新故にあまり整理はできません(笑)
*携帯にも対応しています。
*コメントでの感想なども歓迎です。
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「肝試し行く人ー!」
「「「はーい!」」」
ルナティスの掛け声に子供のように…いや、実際子供なのだが、ギルドの一次職軍団が喜々として手を挙げた。
「なんでだよ…。」
「マナは行かないの?」
「行く」
彼女の目は後輩達より輝いていた。
「でもなんで急にそんなこと言い出したんです?」
「最近傭兵仕事ばっかで、大変だったろ?だから息抜きw」
「息詰まりそうですけどね」
そうは言うがセイヤも目は否定していない。
「でもなんで肝試しなんだ。」
「後輩に僕らの勇敢さを示す為!」
「…ルナティス、お前ホラー嫌いじゃなかったか。」
「僕が嫌いなのはスプラッタホラーです。それにヒショウが居てくれれば怖くない!」
「……俺は行かないぞ。」
「ヒショウ、お小遣あげるから。」
「いかねーとお前の財布は永久に帰ってこないぞ。」ルナティスとマナが何故か対象のことを口にしながら必死の形相でヒショウに詰め寄る。
「…明日返却の本があるから俺は行かな」
「ヒキコモリ反対ー!!!!!!」
「我らヒショウを自分の殻という檻から解き放ち隊ー!!!!!!」
あくまで行かないと言い張るヒショウに、ついに二人は力ずくという手段に出たのだった。
プロンテラは景気の波が激しく貧富の差も大きいものの平均的には裕福。
金持ちも多く、彼らの大きい屋敷も点在する。
それと同じくらいの数が少し街から離れた郊外にも点在する。
彼らの別荘であったり、街に屋敷を建てるより安上がりだからとそこを選び住む者だったり。
その中には完全に廃屋と化したものも多い。
そこが今回のスポットだという。
「てわけで、1番おどろおどろしたとこ選んでみました。」
ベストスポットを胸を張って紹介するルナティスに、皆が小さく拍手した。
確かに肝試しにはベストスポットだ。
しかし逆にそれは、普通に見ていて怖いということだ。
皆いざとなって震え上がっていた。
ルナティス本人でさえ、夜に来たことはなかったらしく、顔色が悪い。
「で、チーム分けするのか。」
その中で乗り気ではなかったヒショウが1番ケロッとしている。
「え、しないよ。」
「…まさか団体でぞろぞろ屋敷を徘徊するだけか?」
「なんかやな言い方だなあ。ちゃんとゴールに目印のガラス玉置いてきたよ。」「…じゃあお前はゴールの場所が分かってるのか。」
「いや、目隠ししながらテレポしてテキトーなとこに置いてきた。」
「…で、行動チームは?」
「みんな一緒。」
そこはあくまで譲らないらしい。
ヒショウは呆れ気味に「それじゃあ怖くないだろうが」と呟くが。
「この屋敷で少人数行動なんて怖くてできませんわ!」
「怖くないのはヒショウだけだ!」
「ガラスのハートをなめないでください!」
後輩軍団が食いかかった。
三人とも目が涙目だ。
かくして遠足のようにぞろぞろ続く肝試しは始まった。
「「「はーい!」」」
ルナティスの掛け声に子供のように…いや、実際子供なのだが、ギルドの一次職軍団が喜々として手を挙げた。
「なんでだよ…。」
「マナは行かないの?」
「行く」
彼女の目は後輩達より輝いていた。
「でもなんで急にそんなこと言い出したんです?」
「最近傭兵仕事ばっかで、大変だったろ?だから息抜きw」
「息詰まりそうですけどね」
そうは言うがセイヤも目は否定していない。
「でもなんで肝試しなんだ。」
「後輩に僕らの勇敢さを示す為!」
「…ルナティス、お前ホラー嫌いじゃなかったか。」
「僕が嫌いなのはスプラッタホラーです。それにヒショウが居てくれれば怖くない!」
「……俺は行かないぞ。」
「ヒショウ、お小遣あげるから。」
「いかねーとお前の財布は永久に帰ってこないぞ。」ルナティスとマナが何故か対象のことを口にしながら必死の形相でヒショウに詰め寄る。
「…明日返却の本があるから俺は行かな」
「ヒキコモリ反対ー!!!!!!」
「我らヒショウを自分の殻という檻から解き放ち隊ー!!!!!!」
あくまで行かないと言い張るヒショウに、ついに二人は力ずくという手段に出たのだった。
プロンテラは景気の波が激しく貧富の差も大きいものの平均的には裕福。
金持ちも多く、彼らの大きい屋敷も点在する。
それと同じくらいの数が少し街から離れた郊外にも点在する。
彼らの別荘であったり、街に屋敷を建てるより安上がりだからとそこを選び住む者だったり。
その中には完全に廃屋と化したものも多い。
そこが今回のスポットだという。
「てわけで、1番おどろおどろしたとこ選んでみました。」
ベストスポットを胸を張って紹介するルナティスに、皆が小さく拍手した。
確かに肝試しにはベストスポットだ。
しかし逆にそれは、普通に見ていて怖いということだ。
皆いざとなって震え上がっていた。
ルナティス本人でさえ、夜に来たことはなかったらしく、顔色が悪い。
「で、チーム分けするのか。」
その中で乗り気ではなかったヒショウが1番ケロッとしている。
「え、しないよ。」
「…まさか団体でぞろぞろ屋敷を徘徊するだけか?」
「なんかやな言い方だなあ。ちゃんとゴールに目印のガラス玉置いてきたよ。」「…じゃあお前はゴールの場所が分かってるのか。」
「いや、目隠ししながらテレポしてテキトーなとこに置いてきた。」
「…で、行動チームは?」
「みんな一緒。」
そこはあくまで譲らないらしい。
ヒショウは呆れ気味に「それじゃあ怖くないだろうが」と呟くが。
「この屋敷で少人数行動なんて怖くてできませんわ!」
「怖くないのはヒショウだけだ!」
「ガラスのハートをなめないでください!」
後輩軍団が食いかかった。
三人とも目が涙目だ。
かくして遠足のようにぞろぞろ続く肝試しは始まった。
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ルナティス「シェイディ、いつの間にか知性派の参謀になったよね。」
シェイディ「それなりに努力した。」
ルナティス「参謀の心得は?」
シェイディ「敵の戦力も大事だが、何より味方の内部を見ることだ。」
ルナティス「例えばどんなところを?」
シェイディ「リーダー、1番の戦力、1番先頭で戦う者、1番扱いにくい問題児、そして俺自身が信頼できる人、このあたりを特に把握しておく。」
ルナティス「ちなみにリーダーは?」
シェイディ「レイ」←双子の姉
ルナティス「1番の戦力は?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「切り込み隊長は?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「1番の問題児は?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「1番信頼できるのは?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「…参謀の心得。結論“弟馬鹿であれ”」
シェイディ「待て」
シェイディ「それなりに努力した。」
ルナティス「参謀の心得は?」
シェイディ「敵の戦力も大事だが、何より味方の内部を見ることだ。」
ルナティス「例えばどんなところを?」
シェイディ「リーダー、1番の戦力、1番先頭で戦う者、1番扱いにくい問題児、そして俺自身が信頼できる人、このあたりを特に把握しておく。」
ルナティス「ちなみにリーダーは?」
シェイディ「レイ」←双子の姉
ルナティス「1番の戦力は?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「切り込み隊長は?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「1番の問題児は?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「1番信頼できるのは?」
シェイディ「レイ」
ルナティス「…参謀の心得。結論“弟馬鹿であれ”」
シェイディ「待て」
「ヒショウ…怒ってる?」
「…仕方のないことだろ、怒ってない。」
そうは言ったが、ずっとルナティスに背を向けているのはいらついた顔を見られないようにだ。
彼は鋭い、目を見ながら話したならこちらの心情なんかすぐに見抜く。
「そりゃツインの部屋がなくてダブルしか取れなかったのは仕方ないことだけどさ。」
ツインを四部屋取りたかったが、一部屋はダブルしか残っていなかった。
それに躊躇いもなくそこがいいと言ったルナティスが喜々として俺に飛び掛かった。
俺が怒ったのはそこだと、本人もちゃんと分かっている。
分かるならやるな、おかげで宿の人や周りの客に俺達が同性愛者と即バレだ。
しばらく静かになった。
背中合わせで起きているか寝ているか分からないが、寝息はしない。
「……ヒショウ」
「なんだ。」
そろそろ苛立ちは消えて、代わりに眠気が先だってきた。
「食堂で隣の部屋の人がこっち見て『アイツらホモだぜ』とか言ってたの聞こえた?」
「………。」
お前に聞こえてアサシンの俺に聞こえないわけがないだろう。
正確には『アイツらホモだぜ夜中男の喘ぎ声とかしてきたら最悪だな、どうする』だ。
わざわざ俺の怒りを蒸し返すようなこと言って、なんのつもりだ。
「ホモってホモサピエンスの略じゃね?僕ら限定じゃなくね?と思って今から文句言いたくなっちゃった。」
…この場合のホモは同種の、って意味でホモサピエンスじゃない。
と思ったが、今はあまりコイツと討論したい気分じゃない。
「勝手にしろ。」
適当に返した。
「そっか、じゃあ隣の部屋なら少し声張り上げれば聞こえるよね。」
…何、ちょっと待
「みんなみんなー、ホーモなんだホモサピエンスなーんーだー!!!」
「生きているんだ友達なんだみたいなリズムで変なこと叫ぶな馬鹿が!」
寝転がったま振り返りざまに枕で彼の顔を潰した。
「周りに迷惑だろうが、さっさと寝ろ。」
「むー…」
「ねー、ヒショウ。」
「今度はなんだ。」
「皮下脂肪ってあるじゃん。」
「は?」
「皮膚の下に脂肪があるんだよね、じゃあオークとかも斬ったらびちゅびちゅあふれるのかな。」
気持ち悪い想像すんな。
「あいつらそんな脂肪なさそうだが。」
「そっか、じゃあオークヒーローとか」
「知るか。」
もう付き合いきれない、と毛布を肩まで被った。
「…ヒショウ、の理想の未来の生活ってどんなの?」
……無意味なことを聞いてきていたと思ったら、いきなり無視しがたい質問を飛ばしてくるな。
と、ため息を尽きながらも、少し考えてみた。
「…身体が動かなくなってきたら冒険者やめて適当に街の職に就く…てところか。」
「……そっか。」
「…お前は。」
「僕?僕は………」
しばらく彼は黙りこんだ。
まあ、追求する気はないし、こっちも眠くなって来たから、このまま寝てしまってもいいやなんて気持ちで彼の言葉の続きを待った。
「シェイディの家ってアルベルタの商家だけど跡取りが姉弟共にいなくなって廃れ気味らしいじゃん。」
「は?」
「シェイディ盾にとってそれ乗っ取って優雅に暮らせないかなと思ってた。」
「おい。」
とても迂闊に寝ていられない答えだった。
実に腹黒く現実味のある野望。
「シェイディが聞いたら殺されるぞ。」
「そうかなあ…だってシェイディ達自ら離縁したみたいじゃないか。」
「だからと言って仲間の家庭を乗っ取るとか言うな。」
「分かった。じゃあヒショウがいればどんなでもいい。」
「…今度はいきなり望みが低くなったな。」
「低くないよ。小さい頃からの野望だ。」
さらりとこうゆうことを言われると、顔が熱くなる。
「………なら」
なら、ずっといてやる。
そう小さく呟こうとした。
「ずっと昔からヒショウにあんなことこんなことしたいとか思ってたんだ。」
思わず口をつぐんだ。
…余計なことを言わなければいいものを。
―――――――――――
オチなし。
ただの寝る前のたんたんとした会話
「…仕方のないことだろ、怒ってない。」
そうは言ったが、ずっとルナティスに背を向けているのはいらついた顔を見られないようにだ。
彼は鋭い、目を見ながら話したならこちらの心情なんかすぐに見抜く。
「そりゃツインの部屋がなくてダブルしか取れなかったのは仕方ないことだけどさ。」
ツインを四部屋取りたかったが、一部屋はダブルしか残っていなかった。
それに躊躇いもなくそこがいいと言ったルナティスが喜々として俺に飛び掛かった。
俺が怒ったのはそこだと、本人もちゃんと分かっている。
分かるならやるな、おかげで宿の人や周りの客に俺達が同性愛者と即バレだ。
しばらく静かになった。
背中合わせで起きているか寝ているか分からないが、寝息はしない。
「……ヒショウ」
「なんだ。」
そろそろ苛立ちは消えて、代わりに眠気が先だってきた。
「食堂で隣の部屋の人がこっち見て『アイツらホモだぜ』とか言ってたの聞こえた?」
「………。」
お前に聞こえてアサシンの俺に聞こえないわけがないだろう。
正確には『アイツらホモだぜ夜中男の喘ぎ声とかしてきたら最悪だな、どうする』だ。
わざわざ俺の怒りを蒸し返すようなこと言って、なんのつもりだ。
「ホモってホモサピエンスの略じゃね?僕ら限定じゃなくね?と思って今から文句言いたくなっちゃった。」
…この場合のホモは同種の、って意味でホモサピエンスじゃない。
と思ったが、今はあまりコイツと討論したい気分じゃない。
「勝手にしろ。」
適当に返した。
「そっか、じゃあ隣の部屋なら少し声張り上げれば聞こえるよね。」
…何、ちょっと待
「みんなみんなー、ホーモなんだホモサピエンスなーんーだー!!!」
「生きているんだ友達なんだみたいなリズムで変なこと叫ぶな馬鹿が!」
寝転がったま振り返りざまに枕で彼の顔を潰した。
「周りに迷惑だろうが、さっさと寝ろ。」
「むー…」
「ねー、ヒショウ。」
「今度はなんだ。」
「皮下脂肪ってあるじゃん。」
「は?」
「皮膚の下に脂肪があるんだよね、じゃあオークとかも斬ったらびちゅびちゅあふれるのかな。」
気持ち悪い想像すんな。
「あいつらそんな脂肪なさそうだが。」
「そっか、じゃあオークヒーローとか」
「知るか。」
もう付き合いきれない、と毛布を肩まで被った。
「…ヒショウ、の理想の未来の生活ってどんなの?」
……無意味なことを聞いてきていたと思ったら、いきなり無視しがたい質問を飛ばしてくるな。
と、ため息を尽きながらも、少し考えてみた。
「…身体が動かなくなってきたら冒険者やめて適当に街の職に就く…てところか。」
「……そっか。」
「…お前は。」
「僕?僕は………」
しばらく彼は黙りこんだ。
まあ、追求する気はないし、こっちも眠くなって来たから、このまま寝てしまってもいいやなんて気持ちで彼の言葉の続きを待った。
「シェイディの家ってアルベルタの商家だけど跡取りが姉弟共にいなくなって廃れ気味らしいじゃん。」
「は?」
「シェイディ盾にとってそれ乗っ取って優雅に暮らせないかなと思ってた。」
「おい。」
とても迂闊に寝ていられない答えだった。
実に腹黒く現実味のある野望。
「シェイディが聞いたら殺されるぞ。」
「そうかなあ…だってシェイディ達自ら離縁したみたいじゃないか。」
「だからと言って仲間の家庭を乗っ取るとか言うな。」
「分かった。じゃあヒショウがいればどんなでもいい。」
「…今度はいきなり望みが低くなったな。」
「低くないよ。小さい頃からの野望だ。」
さらりとこうゆうことを言われると、顔が熱くなる。
「………なら」
なら、ずっといてやる。
そう小さく呟こうとした。
「ずっと昔からヒショウにあんなことこんなことしたいとか思ってたんだ。」
思わず口をつぐんだ。
…余計なことを言わなければいいものを。
―――――――――――
オチなし。
ただの寝る前のたんたんとした会話
「わわっ!」
後ろから肩にぶつかられて、僕の腕の中で微妙なバランスを保っていた書類の山がふっとんだ。
「あ、ごめーん!」
ぶつかってきたアコライトの女の子はかわいらしく謝って走り去っていく。
ざけんなよ片付けんの手伝えよ。女だからって可愛くしてれば許されると思うなよこちとらあんたみたいのは好みじゃねーんだよ性転換してこいや。
元は強いプリーストだった転生アコライトだからって今は立場同じだろうが何ピンクになってんだ風俗店のエセナースかってんだ聖職者名乗るんじゃないわ、どつきたおして街一周引きずったろか
「セイヤ、大丈夫か。」
「はいぃっ!!」
あらやだ、つい仕事が積もってる苛立ちから別世界にいっちゃった。
低い声がかけられて、肩を叩かれて慌てと立ち上がった。
振り返ったら仏頂面のクルセイダーがいた。
「あ、レイヴァ先輩。おはようございます。」
「おはよう。」
と、言いながら彼は床に膝をついて書類を拾いにかかっている。
「あ!大丈夫です拾っておきますから!」
「…ナツメ殿への書類か。」
「え、はい…。」
「俺も所用がある。途中まで半分持とう。」
「いいですいいです!先輩の手を煩わすわけにはっ」
言ってるのにレイヴァ先輩は書類を拾い続けてる。
僕も慌てて拾いにかかった。
うわ、順番めちゃくちゃだ…
後で直さなきゃ…
「それ」
レイヴァ先輩が、言いながら僕の拾った書類を指差した。
「はい?」
「孤児施設録の40ページ代だな?」
「え…あ、はい。」
頷いたら、先輩は僕の手から書類をとって手の中の書類に重ねた。
その手で僕の後ろを指差した。
「そこらの祭祀予定書をまとめろ。」
「あっ、はい!」
レイヴァさんに指示されるままに書類の片付けを始めた。
「…………。」
「…………。」
数分後には、いつの間にか僕たちはきっちりまとめ直された書類を抱えて廊下を歩いてた。
なんてゆーか…指示が素早くて的確で、びっくりした。
あと、先輩の洞察力に驚いた。
手元の書類に何の何ページが足りなくて、どの辺に何の書類が落ちてるのか予測して、僕の作業が終わる頃に次の指示だして…そんないろいろやりながらも先輩の手は物凄い早くて…
ただの書類拾いだけでこんな頭のよさを見せつけられるとは思わなかった。
これぞ先輩だよ。
レイヴァさんって、教会での先輩であると同時に冒険者ギルドの先輩でもあるけど、いつも目だってなかったしな。
「あの、ありがとうございました。」
「三回目だ。」
「あ。」
いや、だって沈黙が気まずくて…ついっ!(; ̄Д ̄)
「そ、それだけ有り難かったってことです!」
「謝礼謝罪の言葉は数を重ねる程に薄くなるという。」
(゜Д゜)
「…はい。」
とっつきにくっ!
うちのギルドの先輩にヒショウさんっていう暗いアサシンさんがいて、その人とよく一緒にいるから「あ、あの二人ってなんか似てるかな」って思ったけど…
似てない。
ヒショウさんは投げたキャッチボールのボールを遠慮がちに転がしてくるタイプだけど
レイヴァさんは軽やかに全然違うとこに投げてく感じがする!!
要はあんま話したくないタイプ。
「わわっ」
いろいろ考えていたら、レイヴァさんが持ってた書類をまた僕の手の中に戻してきた。
ズシッと重くて、危うく落としかけた。
あ、もうナツメ司祭のお部屋の前だった。
またありがとうございました、と言いかけて、さっき言われたことが頭の中でチラついた。
うう…なんて言えっちゅーねん。
悩んでるうちに、レイヴァ先輩は来た道を戻って…
あれ?
「レイヴァ先輩、ナツメ司祭に御用だったんじゃ…」
「俺の用は東棟だ。」
東棟って、もう随分前に通路過ぎたじゃないか…!
わざわざここまで手伝って…?
……やさしい。
「セイヤ」
「は、はい!」
先輩はまた戻ってきて、僕の目の前に断崖絶壁のように立ちました。
だってこの人背が高すぎ!
「むあっ」
頭を叩くみたいに手をのっけられた。
「お前の働きは、上には好評だ。」
「……ふえっ」
なんか…先輩の威圧で口から出るのは気の抜けた返事にならない声ばっかだ。
「お前が忙しいのは、皆、お前に一目置いているからと思え。」
そう言われた瞬間、顔が熱くなった。
アコライトに押し付けられる雑用や仕事を必死にこなしてたのは、回りの同期がぴいぴい言って動かないのが多くてその怒りをぶつけるように半分やけくそで…
押し付けてくるいい加減な司祭達を何度殴り飛ばしてやりたいと思ったかわからないけれど、悲しい職業病でいっつもニコニコするしかできなくて…
誰もそんな苦労分かってくれてないと思ってた。
「……っ、あ」
僕は今度こそ本当に『ありがとう』と言おうとした。
「だからどつきたおして街一周引きずるのはよせ。せっかくの努力が水の泡だ。」
(゜Д゜)は?
Σ(;゜Д゜;;)あのアコライトにぶつかられた時の独り言、聞かれてたー!!!!一言余計!この人一言余計だよ!
「では」
僕は今度こそ去っていくレイヴァ先輩の背中を眺めながら、慌てて声をかけた。
「先輩!明日の夕食、僕が当番だから、先輩の好物作りますね!」
ありがとう、の代わりに、感謝を行動でしめすことにした。
先輩は顔だけ振り返った。
「毒は入れるなよ」
僕って、なんか警戒されてる…?
どんな人間だと思われてるんだろう。
とりあえず…
「(TДT;)いれるかああああああ!!!!!」
後ろから肩にぶつかられて、僕の腕の中で微妙なバランスを保っていた書類の山がふっとんだ。
「あ、ごめーん!」
ぶつかってきたアコライトの女の子はかわいらしく謝って走り去っていく。
ざけんなよ片付けんの手伝えよ。女だからって可愛くしてれば許されると思うなよこちとらあんたみたいのは好みじゃねーんだよ性転換してこいや。
元は強いプリーストだった転生アコライトだからって今は立場同じだろうが何ピンクになってんだ風俗店のエセナースかってんだ聖職者名乗るんじゃないわ、どつきたおして街一周引きずったろか
「セイヤ、大丈夫か。」
「はいぃっ!!」
あらやだ、つい仕事が積もってる苛立ちから別世界にいっちゃった。
低い声がかけられて、肩を叩かれて慌てと立ち上がった。
振り返ったら仏頂面のクルセイダーがいた。
「あ、レイヴァ先輩。おはようございます。」
「おはよう。」
と、言いながら彼は床に膝をついて書類を拾いにかかっている。
「あ!大丈夫です拾っておきますから!」
「…ナツメ殿への書類か。」
「え、はい…。」
「俺も所用がある。途中まで半分持とう。」
「いいですいいです!先輩の手を煩わすわけにはっ」
言ってるのにレイヴァ先輩は書類を拾い続けてる。
僕も慌てて拾いにかかった。
うわ、順番めちゃくちゃだ…
後で直さなきゃ…
「それ」
レイヴァ先輩が、言いながら僕の拾った書類を指差した。
「はい?」
「孤児施設録の40ページ代だな?」
「え…あ、はい。」
頷いたら、先輩は僕の手から書類をとって手の中の書類に重ねた。
その手で僕の後ろを指差した。
「そこらの祭祀予定書をまとめろ。」
「あっ、はい!」
レイヴァさんに指示されるままに書類の片付けを始めた。
「…………。」
「…………。」
数分後には、いつの間にか僕たちはきっちりまとめ直された書類を抱えて廊下を歩いてた。
なんてゆーか…指示が素早くて的確で、びっくりした。
あと、先輩の洞察力に驚いた。
手元の書類に何の何ページが足りなくて、どの辺に何の書類が落ちてるのか予測して、僕の作業が終わる頃に次の指示だして…そんないろいろやりながらも先輩の手は物凄い早くて…
ただの書類拾いだけでこんな頭のよさを見せつけられるとは思わなかった。
これぞ先輩だよ。
レイヴァさんって、教会での先輩であると同時に冒険者ギルドの先輩でもあるけど、いつも目だってなかったしな。
「あの、ありがとうございました。」
「三回目だ。」
「あ。」
いや、だって沈黙が気まずくて…ついっ!(; ̄Д ̄)
「そ、それだけ有り難かったってことです!」
「謝礼謝罪の言葉は数を重ねる程に薄くなるという。」
(゜Д゜)
「…はい。」
とっつきにくっ!
うちのギルドの先輩にヒショウさんっていう暗いアサシンさんがいて、その人とよく一緒にいるから「あ、あの二人ってなんか似てるかな」って思ったけど…
似てない。
ヒショウさんは投げたキャッチボールのボールを遠慮がちに転がしてくるタイプだけど
レイヴァさんは軽やかに全然違うとこに投げてく感じがする!!
要はあんま話したくないタイプ。
「わわっ」
いろいろ考えていたら、レイヴァさんが持ってた書類をまた僕の手の中に戻してきた。
ズシッと重くて、危うく落としかけた。
あ、もうナツメ司祭のお部屋の前だった。
またありがとうございました、と言いかけて、さっき言われたことが頭の中でチラついた。
うう…なんて言えっちゅーねん。
悩んでるうちに、レイヴァ先輩は来た道を戻って…
あれ?
「レイヴァ先輩、ナツメ司祭に御用だったんじゃ…」
「俺の用は東棟だ。」
東棟って、もう随分前に通路過ぎたじゃないか…!
わざわざここまで手伝って…?
……やさしい。
「セイヤ」
「は、はい!」
先輩はまた戻ってきて、僕の目の前に断崖絶壁のように立ちました。
だってこの人背が高すぎ!
「むあっ」
頭を叩くみたいに手をのっけられた。
「お前の働きは、上には好評だ。」
「……ふえっ」
なんか…先輩の威圧で口から出るのは気の抜けた返事にならない声ばっかだ。
「お前が忙しいのは、皆、お前に一目置いているからと思え。」
そう言われた瞬間、顔が熱くなった。
アコライトに押し付けられる雑用や仕事を必死にこなしてたのは、回りの同期がぴいぴい言って動かないのが多くてその怒りをぶつけるように半分やけくそで…
押し付けてくるいい加減な司祭達を何度殴り飛ばしてやりたいと思ったかわからないけれど、悲しい職業病でいっつもニコニコするしかできなくて…
誰もそんな苦労分かってくれてないと思ってた。
「……っ、あ」
僕は今度こそ本当に『ありがとう』と言おうとした。
「だからどつきたおして街一周引きずるのはよせ。せっかくの努力が水の泡だ。」
(゜Д゜)は?
Σ(;゜Д゜;;)あのアコライトにぶつかられた時の独り言、聞かれてたー!!!!一言余計!この人一言余計だよ!
「では」
僕は今度こそ去っていくレイヴァ先輩の背中を眺めながら、慌てて声をかけた。
「先輩!明日の夕食、僕が当番だから、先輩の好物作りますね!」
ありがとう、の代わりに、感謝を行動でしめすことにした。
先輩は顔だけ振り返った。
「毒は入れるなよ」
僕って、なんか警戒されてる…?
どんな人間だと思われてるんだろう。
とりあえず…
「(TДT;)いれるかああああああ!!!!!」
ブレス!!
速度増加!!
キリエエレイソン!!
支援完了で準備よーし。
心の準備よーし。
「ヒショウ~一緒にお風呂入ろう~w」
さあ来い!必殺のエチャントポイズン付きのソニックブロウ!!
「………わかった。」
………へ?
というわけで、今僕は宿のせまーいバスルームの浴槽に恋人と浸かってるわけです。
狭い。
ヒショウ、体格がいいわけじゃないけど身長があるから狭い。
僕は最上級に幸せだけど。
向かい合って足を交差させてお湯に浸かる。
…かさが増すから節約にはいいかも。
二人の間にぷかぷか浮いてるアヒルちゃんをヒショウの方に弾いたら、弾き返されてアヒルちゃんが僕のとこに泳いで帰ってくる。
それをまた向こうに追いやって、でもまた返されて…
って、大の大人の男が狭い風呂に入ってアヒルで遊んでるとか、すごい異様な光景。
ヒショウもそう思ってるらしくて、ちょっと呆れたように笑ってる。
濡れた黒い髪ぴったり肌にくっついて、雫を垂らしてて綺麗だなあ、水も滴るイイオトコってやつかな。
「あ。脇腹のとこ傷。」
「まだシーフだった時についたやつだろ。」
「結構大きいね。」
ヒショウの脇腹の白い古傷を手の平で撫でた。
さりげないスキンシップとセクハラ。
でも本人は全然きにしてないみたいだ。
「…お前よりは傷はない。」
「僕は真っ先に突っ込む猪突猛進型だもん。」
「自慢になってないな。」
前髪を掻き上げながら笑う何気ない動作に心臓が高鳴った。
こんな至近距離で、しかも濡れて全裸。入浴剤がなかったらやばかったかも、これは。
視線を反らせて気を紛らわせるのに話題をふった。
「ヒショウ、なんで今日は一緒に風呂に入ってくれたんだ?」
彼は標準をなくして、視線を上の方に向けた。
何か悩むみたいに。
「……俺達、さ……恋人関係…なんだよな…一応。」
「違うって言われたら僕泣きながらウンバラバンジージャンプを湖じゃない方に飛ぶよ。」
むしろ今『一応』とか付けられた時点でそこの窓から飛びたい。
「いや、関係を否定するんじゃなくて、実感がなくて…な。」
「そりゃあ、あんま公言しないし、ヒショウはべたべたするの嫌いだし。」
やっぱ男同士ってのはねえ…僕は恋は盲目って感じで気にしないし、ヒショウは心が広いというか偏見がないけど
やっぱ周りからはイメージ的視覚的にもよくは映らないってわかってるもんね。
「…嫌いなわけじゃないが、したいと思わない。いちゃついてる恋人の精神がよくわからない…。」
なーるほど。
「でも、僕がそうやっていちゃつきたがってると思って、恥ずかしいの我慢して一緒に入ってくれた?」
抱きたいってのはまあ動物の性だから仕方ないけど、一緒にお風呂なんてしなくても済むことだから、ってヒショウは全く取り合ってくれなかったから。
今日は何かいろいろ思うことがあって付き合ってくれたに違いなかった。
「……恥ずかしいというか、馬鹿らしいと思っただけだ。」
「そっか。」
その頬っぺたが赤いのはお湯のせいなのかなあ…
「でもさ、無理して周りのカップルの真似なんかしてくれなくていいよ。
恋人だ!って僕が言い張るのはヒショウとベタベタしてたいんじゃなくて、ヒショウが誰か他の人と恋人になるのが嫌だったから。」
親友って枠組みだったけど、僕らは今まで誰よりも近くにいたじゃないか。
「あ、ヒショウってなんかツンデレっぽいな。」
「…は?」
いつも人目があるときは恋人のこの字も出させてくれないのに、でもこうやってお風呂一緒に入ったり恋人関係について真面目に考えてくれたり。
そんな優しいヒショウが、僕は好きだな。
「こうやって時々風呂とか一緒に入れたら嬉しいな、ってだけ。」
「…よくわからんが、分かった。」
そう答えた彼の顔は、その瞬間に目に見えて赤くなった。
「っ!!」
「ぐぶえっっ!!!」
つい、興奮して彼に迫ってお湯の中で体に触ったら
神速の平手が飛んできた。
油断、至近距離、ダブルアタック、いろんな要素が入って強烈。
「調子に乗るな、赤い血の風呂にするぞ。」
「ご、ごめんなさい……」
でも顔はにやけたまま直らなくて、仕方なくヒショウに見えないように平手されて横を向かされ固まったままで謝った。
まあ、ヒショウはツンデレじゃなくてツン8に対してデレ2くらいかな…ってのは分かった。
のでこれからあんまデレを求めない方向で行こう。ビンタ痛いし。
速度増加!!
キリエエレイソン!!
支援完了で準備よーし。
心の準備よーし。
「ヒショウ~一緒にお風呂入ろう~w」
さあ来い!必殺のエチャントポイズン付きのソニックブロウ!!
「………わかった。」
………へ?
というわけで、今僕は宿のせまーいバスルームの浴槽に恋人と浸かってるわけです。
狭い。
ヒショウ、体格がいいわけじゃないけど身長があるから狭い。
僕は最上級に幸せだけど。
向かい合って足を交差させてお湯に浸かる。
…かさが増すから節約にはいいかも。
二人の間にぷかぷか浮いてるアヒルちゃんをヒショウの方に弾いたら、弾き返されてアヒルちゃんが僕のとこに泳いで帰ってくる。
それをまた向こうに追いやって、でもまた返されて…
って、大の大人の男が狭い風呂に入ってアヒルで遊んでるとか、すごい異様な光景。
ヒショウもそう思ってるらしくて、ちょっと呆れたように笑ってる。
濡れた黒い髪ぴったり肌にくっついて、雫を垂らしてて綺麗だなあ、水も滴るイイオトコってやつかな。
「あ。脇腹のとこ傷。」
「まだシーフだった時についたやつだろ。」
「結構大きいね。」
ヒショウの脇腹の白い古傷を手の平で撫でた。
さりげないスキンシップとセクハラ。
でも本人は全然きにしてないみたいだ。
「…お前よりは傷はない。」
「僕は真っ先に突っ込む猪突猛進型だもん。」
「自慢になってないな。」
前髪を掻き上げながら笑う何気ない動作に心臓が高鳴った。
こんな至近距離で、しかも濡れて全裸。入浴剤がなかったらやばかったかも、これは。
視線を反らせて気を紛らわせるのに話題をふった。
「ヒショウ、なんで今日は一緒に風呂に入ってくれたんだ?」
彼は標準をなくして、視線を上の方に向けた。
何か悩むみたいに。
「……俺達、さ……恋人関係…なんだよな…一応。」
「違うって言われたら僕泣きながらウンバラバンジージャンプを湖じゃない方に飛ぶよ。」
むしろ今『一応』とか付けられた時点でそこの窓から飛びたい。
「いや、関係を否定するんじゃなくて、実感がなくて…な。」
「そりゃあ、あんま公言しないし、ヒショウはべたべたするの嫌いだし。」
やっぱ男同士ってのはねえ…僕は恋は盲目って感じで気にしないし、ヒショウは心が広いというか偏見がないけど
やっぱ周りからはイメージ的視覚的にもよくは映らないってわかってるもんね。
「…嫌いなわけじゃないが、したいと思わない。いちゃついてる恋人の精神がよくわからない…。」
なーるほど。
「でも、僕がそうやっていちゃつきたがってると思って、恥ずかしいの我慢して一緒に入ってくれた?」
抱きたいってのはまあ動物の性だから仕方ないけど、一緒にお風呂なんてしなくても済むことだから、ってヒショウは全く取り合ってくれなかったから。
今日は何かいろいろ思うことがあって付き合ってくれたに違いなかった。
「……恥ずかしいというか、馬鹿らしいと思っただけだ。」
「そっか。」
その頬っぺたが赤いのはお湯のせいなのかなあ…
「でもさ、無理して周りのカップルの真似なんかしてくれなくていいよ。
恋人だ!って僕が言い張るのはヒショウとベタベタしてたいんじゃなくて、ヒショウが誰か他の人と恋人になるのが嫌だったから。」
親友って枠組みだったけど、僕らは今まで誰よりも近くにいたじゃないか。
「あ、ヒショウってなんかツンデレっぽいな。」
「…は?」
いつも人目があるときは恋人のこの字も出させてくれないのに、でもこうやってお風呂一緒に入ったり恋人関係について真面目に考えてくれたり。
そんな優しいヒショウが、僕は好きだな。
「こうやって時々風呂とか一緒に入れたら嬉しいな、ってだけ。」
「…よくわからんが、分かった。」
そう答えた彼の顔は、その瞬間に目に見えて赤くなった。
「っ!!」
「ぐぶえっっ!!!」
つい、興奮して彼に迫ってお湯の中で体に触ったら
神速の平手が飛んできた。
油断、至近距離、ダブルアタック、いろんな要素が入って強烈。
「調子に乗るな、赤い血の風呂にするぞ。」
「ご、ごめんなさい……」
でも顔はにやけたまま直らなくて、仕方なくヒショウに見えないように平手されて横を向かされ固まったままで謝った。
まあ、ヒショウはツンデレじゃなくてツン8に対してデレ2くらいかな…ってのは分かった。
のでこれからあんまデレを求めない方向で行こう。ビンタ痛いし。
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