*小説を携帯などからUPするスペースです。(かなり自分用です。)
*小話からプチ長編や、本編もちょくちょく更新すると思われます。
*かなりぶつ切りです。
*携帯からの更新故にあまり整理はできません(笑)
*携帯にも対応しています。
*コメントでの感想なども歓迎です。
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銀が躍る
見た目は自分と同じでありながら本質の違うその姿は
まるで鬼神
もはや断末魔の悲鳴を上げながら舞っている
身体を赤黒く染めて
髪を振り乱し、剣を振りかぶる度に、赤い飛沫が舞う
それは決して、敵のものばかりではない
やめてくれ…やめてくれ…
こんなに似てる俺達なのに、何故立場はこんなにも違うんだ。
何故俺は皆に守られて、姉さんに守られて、ここにいる。
何故姉さんは一人で皆の命を背負ってるんだ。
守りたいから、ここに来たのに。
ただ姉弟だからそばにいたいとかそんな思いじゃなかった。
そんなことだったら、あんなに憎んで恐れていた姉さんを追い掛けてきたりしなかった。
俺はただ、一人で苦しませたくなくて…
姉さんを理解して、助けになりたかったのに。
「泣くな、シェイディ。」
「泣いてない。」
本当はさっきまで泣いていた。
レイの背中に生々しく掘り込まれた傷を消毒しながらぶっきらぼうに答える。
傷は一つではない。
もう塞がってはいるが、いくつも所狭しと刻み込まれている。
これが彼女の選んだ道でも…。
「…姉さん」
「レイって、呼んでくれよ」
またか…。
そんなことどうでもいい。
「…この傷、動くのに支障あるかもしれない。」
「ああ、大丈夫。固まった肉は後で削ってもらう。」
生々しいことをさらりという。
今までも経験があることだから言えるのだろうが…
戦士だとしても、とても女性の言葉とは思えない。
「泣きそうな顔をするな。」
「……泣いてない。」
「泣きそうな、ということはこれから泣くかもしれないって可能性を指しているんだ。」
笑うレイの血の臭いが染み付いた指が頬を包み込んでくる。
こちらも女性のものとは思えない、石のように硬くなった指。
所々戦いで負傷し、変形した指。
「いくら傷つこうとこれが私の選んだ道だ。今はもう戦うしかない。シェイがそんな顔をすることはないだろう?」
「……何も出来ずに目の前で、あんたがボロボロになってて…何も思わずいられるか。」
そう、言葉にしてしまえば涙は堪えきれず、一筋頬を伝う。
泣きじゃくるのは、流石に堪えられたが。
「何もできないものか…お前はいずれ私達の参謀、いわば頭脳になるのだからな。」
「……。」
「それに私は剣だ、そう簡単に折れてはやらない。だから遠慮なくお前が私を振るえ。お前が私を手に取ってくれる限り、決して折れない。」
優しさからくる言葉ではなかった。
レイは自分で確信している、そう信じている目をしていた。
「だから私にひっついて小間使いのような真似をしなくていい。」
縫合したての背の傷を濡らした布で丁寧に洗う、シェイディのそんな行動ももう帰ってきてから何度めか分からない。
不安を紛らわすように、何度もレイの手当てをしに来る。
それでも彼は強いと思う。
いきなり日常から引きはがされ、こんな場所で参謀として勉強、実践を繰り返し、仲間が自分の立てた作戦下で血を流すのを見続けている。
シェイディは弱音を吐かずに気丈に振る舞っていた。
だがメンバーを駒として見れず、誰かを切り捨てる覚悟もないことは欠点だ。
本当に仲間を見殺したりしないにしても、覚悟がないことはマイナスなのだ。
「私を気遣うのなら、ここにいてくれるだけで十分なんだよ。」
造形の酷似した二人が重なりそうな程に近寄る。
唇はぎりぎり触れないが、吐息が唇をくすぐる距離。
レイが一方的に攻めているのだが、シェイディはそれを振り払わずにいる。
姉が背徳的な感情を持っていると分かっていても、囁く言葉は優しく、頬を包む掌は温かく、姉弟しかも双子という絆は断ち難いのだ。
「だからシェイ、どうか感情を殺してくれ。」
「……。」
「私達の上に厳かに構えるんだ。」
「そして皆を仕切る立場になって、皆に守られていろ、って言うのか。」
それこそ、レイの本当の狙い。
皆に守られる立場にのし上がり、安全な場所にいろと言う。
そうすれば、仲間は命を捨ててでもシェイディを守る。
彼自身、その立場に近付く程に姉の本当の思惑に感付き始めていた。
「そうだ、ゴーストのお前でいる間は誰も手の出せない場所にいろ。私でさえもな。」
感情を殺し、心を殺し、孤高のカリスマを演じろ。
ゴーストの内外ともに称賛し、ひざまづき近付けないように。
「……半分以上、あんたの我が儘だ。」
「ああ、お前には辛い役をさせる。だが確かに私達の為にはなっているだろう?何より…」
「……何より?」
その先の言葉は紡がれなかった。
レイは笑い、シェイディから離れた。
「私は、お前が大事なんだよ。罪もないのに此処まで着いて来てくれて、守れないなんてことになってたまるか。」
「……。」
何も、言い返せない。
危険だから来るな、と突き放さなかった点で、レイはシェイディを頼りにしていない訳ではないのだ。
最も信頼すると共に守りらなければと思っているからこその判断。
シェイディは閉口して、それを受け入れるしかない。
それが、皆にとっても、自分にとっても最善だと理解している。
「……そうだよ、シェイ。手の届かない所にいろ。」
誰も触れられない位置に。
皆の参謀であり、誰にも属さない。
「…何より、そうしなければ私がまたお前を独占したくなるのを我慢できない。」
私が縋り付いてしまわないようなところに。
私が求めてお前をまた壊してしまわないように。
見た目は自分と同じでありながら本質の違うその姿は
まるで鬼神
もはや断末魔の悲鳴を上げながら舞っている
身体を赤黒く染めて
髪を振り乱し、剣を振りかぶる度に、赤い飛沫が舞う
それは決して、敵のものばかりではない
やめてくれ…やめてくれ…
こんなに似てる俺達なのに、何故立場はこんなにも違うんだ。
何故俺は皆に守られて、姉さんに守られて、ここにいる。
何故姉さんは一人で皆の命を背負ってるんだ。
守りたいから、ここに来たのに。
ただ姉弟だからそばにいたいとかそんな思いじゃなかった。
そんなことだったら、あんなに憎んで恐れていた姉さんを追い掛けてきたりしなかった。
俺はただ、一人で苦しませたくなくて…
姉さんを理解して、助けになりたかったのに。
「泣くな、シェイディ。」
「泣いてない。」
本当はさっきまで泣いていた。
レイの背中に生々しく掘り込まれた傷を消毒しながらぶっきらぼうに答える。
傷は一つではない。
もう塞がってはいるが、いくつも所狭しと刻み込まれている。
これが彼女の選んだ道でも…。
「…姉さん」
「レイって、呼んでくれよ」
またか…。
そんなことどうでもいい。
「…この傷、動くのに支障あるかもしれない。」
「ああ、大丈夫。固まった肉は後で削ってもらう。」
生々しいことをさらりという。
今までも経験があることだから言えるのだろうが…
戦士だとしても、とても女性の言葉とは思えない。
「泣きそうな顔をするな。」
「……泣いてない。」
「泣きそうな、ということはこれから泣くかもしれないって可能性を指しているんだ。」
笑うレイの血の臭いが染み付いた指が頬を包み込んでくる。
こちらも女性のものとは思えない、石のように硬くなった指。
所々戦いで負傷し、変形した指。
「いくら傷つこうとこれが私の選んだ道だ。今はもう戦うしかない。シェイがそんな顔をすることはないだろう?」
「……何も出来ずに目の前で、あんたがボロボロになってて…何も思わずいられるか。」
そう、言葉にしてしまえば涙は堪えきれず、一筋頬を伝う。
泣きじゃくるのは、流石に堪えられたが。
「何もできないものか…お前はいずれ私達の参謀、いわば頭脳になるのだからな。」
「……。」
「それに私は剣だ、そう簡単に折れてはやらない。だから遠慮なくお前が私を振るえ。お前が私を手に取ってくれる限り、決して折れない。」
優しさからくる言葉ではなかった。
レイは自分で確信している、そう信じている目をしていた。
「だから私にひっついて小間使いのような真似をしなくていい。」
縫合したての背の傷を濡らした布で丁寧に洗う、シェイディのそんな行動ももう帰ってきてから何度めか分からない。
不安を紛らわすように、何度もレイの手当てをしに来る。
それでも彼は強いと思う。
いきなり日常から引きはがされ、こんな場所で参謀として勉強、実践を繰り返し、仲間が自分の立てた作戦下で血を流すのを見続けている。
シェイディは弱音を吐かずに気丈に振る舞っていた。
だがメンバーを駒として見れず、誰かを切り捨てる覚悟もないことは欠点だ。
本当に仲間を見殺したりしないにしても、覚悟がないことはマイナスなのだ。
「私を気遣うのなら、ここにいてくれるだけで十分なんだよ。」
造形の酷似した二人が重なりそうな程に近寄る。
唇はぎりぎり触れないが、吐息が唇をくすぐる距離。
レイが一方的に攻めているのだが、シェイディはそれを振り払わずにいる。
姉が背徳的な感情を持っていると分かっていても、囁く言葉は優しく、頬を包む掌は温かく、姉弟しかも双子という絆は断ち難いのだ。
「だからシェイ、どうか感情を殺してくれ。」
「……。」
「私達の上に厳かに構えるんだ。」
「そして皆を仕切る立場になって、皆に守られていろ、って言うのか。」
それこそ、レイの本当の狙い。
皆に守られる立場にのし上がり、安全な場所にいろと言う。
そうすれば、仲間は命を捨ててでもシェイディを守る。
彼自身、その立場に近付く程に姉の本当の思惑に感付き始めていた。
「そうだ、ゴーストのお前でいる間は誰も手の出せない場所にいろ。私でさえもな。」
感情を殺し、心を殺し、孤高のカリスマを演じろ。
ゴーストの内外ともに称賛し、ひざまづき近付けないように。
「……半分以上、あんたの我が儘だ。」
「ああ、お前には辛い役をさせる。だが確かに私達の為にはなっているだろう?何より…」
「……何より?」
その先の言葉は紡がれなかった。
レイは笑い、シェイディから離れた。
「私は、お前が大事なんだよ。罪もないのに此処まで着いて来てくれて、守れないなんてことになってたまるか。」
「……。」
何も、言い返せない。
危険だから来るな、と突き放さなかった点で、レイはシェイディを頼りにしていない訳ではないのだ。
最も信頼すると共に守りらなければと思っているからこその判断。
シェイディは閉口して、それを受け入れるしかない。
それが、皆にとっても、自分にとっても最善だと理解している。
「……そうだよ、シェイ。手の届かない所にいろ。」
誰も触れられない位置に。
皆の参謀であり、誰にも属さない。
「…何より、そうしなければ私がまたお前を独占したくなるのを我慢できない。」
私が縋り付いてしまわないようなところに。
私が求めてお前をまた壊してしまわないように。
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僕のギルドには素敵な先輩がいます。
僕はその人を追いかけてこのギルドに入ったけど
その人は既にギルド内に恋人がいました。
正直、僕は男で、先輩も男だから始めからこの恋の成就は諦め気味だったのに
先輩の恋人はよりによって男で
ぐずぐずしてないでアタックしてればよかったのかな、って少し思わないことはないです。
それでも無理だっただろうけど
それでも
「セイヤは可愛いねーw」
「でもプリーストになったら法衣が似合わなくなります…」
「いや、そのサイズと顔のままプリーストになってほしいな。」
「ルナティスさんみたいなプリーストになりたいのに」
「僕もよく童顔だって言われるけどなあ」
こんな風に子供扱いの抱きしめ方じゃなくて
恋人みたいに優しく、でも熱く抱いてくれなかったかなと
夢見ずにはいられなくて…
まあ、今こんな風にスキンシップできるのも、宴会で酒が回ってるからだけど。
「っしゃ勝ったァァアアア!!!」
何やら雄叫びをあげているブラックスミスは僕の先輩でありギルドのマスター代理をしているマナさん。
優しくて強くてわがままで面白い、美人な女性。
その足元にうずくまってるのはもの静かなアサシンのヒショウさんで、ルナティスさんの恋人でもある……。
いつも伏し目がちで前髪下ろして顔も伏せて、今はそうでもないけど昔はギルドメンバーの前でもマスクで顔をかくしてた。
そんな風にしてるからギルドに入ってからもしばらく気付かなかったけど
綺麗な人なんだよなあ…
綺麗というか男前で、引っ込み思案だけど優しい。
性格が少しじめっぽいからなんでこの人が?って思うことはあるけど
それでも僕より全然魅力的……
ああ、考えてたら思考が暗くなっちゃった。
せっかくの宴会なのに。
意味がなくてもしょっちゅうある宴会だけど。
「ヒショウ、しっかりしろ」
このざわめきの中でも少し目立つバス音程な声がした。
体格もやたら大きい後ろ姿。
クルセイダーのレイヴァ先輩で、最近教会でよく見るようになって、お仕事でもお世話になってる。
クールとか寡黙っていうより、無愛想だ。
でも
「っすまない、手を…」
くらくらしてるヒショウに助けを求められて、嫌な顔一つせずに応じてる。
……最近、レイヴァさんがよく目につくようになったから気付いたけど、彼はヒショウさんにだけ態度が違う。
むしろ、少し「しょうがないな」みたいに苦笑いしてる。
そんな風にするのは彼にだけだ。
「……。」
本人の故意じゃないのは分かる、でも
ルナティスさんがいるのに、何でレイヴァさんまでとるの…。
ん?
あれ?
何で、レイヴァさんのことでもやもやしてるんだ、僕。
「…っ…」
「吐きそうか?」
「いや、それは、ない…が、力が…」
欲しかった装備を賭けられて、珍しくがぶ飲みしてましたしね。
ソファに移動してから、前のめりに倒れそうになったのをしがみつかれる。
レイヴァさんはそれを支えて、軽く背中に手を添えてやってる。
「………。」
「セイヤ?」
レイヴァさんが、小さく笑ってる。
なんだか、胸のあたりが、肺が、ちくんとする。
なんだろう、僕…なんだかおかしい。
「わっ、どうしたセイヤ」
お酒で温かくなってるルナティスさんの胸にしがみついた。
「僕、泣き上戸なんです、よぅ~」
声をわざとしなしなにしてそうごまかした。
泣きそうになったのを、我慢すれば出来た。
でもルナティスさんの胸に顔を埋めてかくしてしまえば、止められないくらい涙が溢れる。
何でだよ…。
レイヴァさんには確かにお世話になってるけど、好みとは全然違うし、そんなカッコイイとも思わない。
でも…
もし彼がヒショウさんを好きだったらと思うと、苦しい、悔しい。
もう、ルナティスさんとは完全な片思いだって知った時みたいに…
「泣き上戸はね、愚痴ったり無理に笑わないでひたすら泣いて飲めば治るよー」
酔っ払いの勢いでそんなことを言って、さっきまで僕にお酒を飲ませないようにしていたルナティスさんがグラスを差し出してきた。
そうやって頭を叩いてくる手は、酔っ払いにしては優し過ぎる。
そうだよ、僕は飲んでないんだから酔って泣き上戸になってるわけがない。
…ルナティスさんは、気付いてもそれを追求したり、誰かに言うような野暮な人じゃない。
ありがとうも言えないくらい泣きながら、渡されたグラスを飲み干した。
まだそれを美味しいとは感じないけど、体が温かくなって頭に熱が上る感覚。
それを求めて、何杯も飲みました。
そして
僕は未成年にして初めて二日酔いというものを体験しました。
あれだけふらふらになってたヒショウさんは朝には元気になってました。
…大人ってすごい。
僕はその人を追いかけてこのギルドに入ったけど
その人は既にギルド内に恋人がいました。
正直、僕は男で、先輩も男だから始めからこの恋の成就は諦め気味だったのに
先輩の恋人はよりによって男で
ぐずぐずしてないでアタックしてればよかったのかな、って少し思わないことはないです。
それでも無理だっただろうけど
それでも
「セイヤは可愛いねーw」
「でもプリーストになったら法衣が似合わなくなります…」
「いや、そのサイズと顔のままプリーストになってほしいな。」
「ルナティスさんみたいなプリーストになりたいのに」
「僕もよく童顔だって言われるけどなあ」
こんな風に子供扱いの抱きしめ方じゃなくて
恋人みたいに優しく、でも熱く抱いてくれなかったかなと
夢見ずにはいられなくて…
まあ、今こんな風にスキンシップできるのも、宴会で酒が回ってるからだけど。
「っしゃ勝ったァァアアア!!!」
何やら雄叫びをあげているブラックスミスは僕の先輩でありギルドのマスター代理をしているマナさん。
優しくて強くてわがままで面白い、美人な女性。
その足元にうずくまってるのはもの静かなアサシンのヒショウさんで、ルナティスさんの恋人でもある……。
いつも伏し目がちで前髪下ろして顔も伏せて、今はそうでもないけど昔はギルドメンバーの前でもマスクで顔をかくしてた。
そんな風にしてるからギルドに入ってからもしばらく気付かなかったけど
綺麗な人なんだよなあ…
綺麗というか男前で、引っ込み思案だけど優しい。
性格が少しじめっぽいからなんでこの人が?って思うことはあるけど
それでも僕より全然魅力的……
ああ、考えてたら思考が暗くなっちゃった。
せっかくの宴会なのに。
意味がなくてもしょっちゅうある宴会だけど。
「ヒショウ、しっかりしろ」
このざわめきの中でも少し目立つバス音程な声がした。
体格もやたら大きい後ろ姿。
クルセイダーのレイヴァ先輩で、最近教会でよく見るようになって、お仕事でもお世話になってる。
クールとか寡黙っていうより、無愛想だ。
でも
「っすまない、手を…」
くらくらしてるヒショウに助けを求められて、嫌な顔一つせずに応じてる。
……最近、レイヴァさんがよく目につくようになったから気付いたけど、彼はヒショウさんにだけ態度が違う。
むしろ、少し「しょうがないな」みたいに苦笑いしてる。
そんな風にするのは彼にだけだ。
「……。」
本人の故意じゃないのは分かる、でも
ルナティスさんがいるのに、何でレイヴァさんまでとるの…。
ん?
あれ?
何で、レイヴァさんのことでもやもやしてるんだ、僕。
「…っ…」
「吐きそうか?」
「いや、それは、ない…が、力が…」
欲しかった装備を賭けられて、珍しくがぶ飲みしてましたしね。
ソファに移動してから、前のめりに倒れそうになったのをしがみつかれる。
レイヴァさんはそれを支えて、軽く背中に手を添えてやってる。
「………。」
「セイヤ?」
レイヴァさんが、小さく笑ってる。
なんだか、胸のあたりが、肺が、ちくんとする。
なんだろう、僕…なんだかおかしい。
「わっ、どうしたセイヤ」
お酒で温かくなってるルナティスさんの胸にしがみついた。
「僕、泣き上戸なんです、よぅ~」
声をわざとしなしなにしてそうごまかした。
泣きそうになったのを、我慢すれば出来た。
でもルナティスさんの胸に顔を埋めてかくしてしまえば、止められないくらい涙が溢れる。
何でだよ…。
レイヴァさんには確かにお世話になってるけど、好みとは全然違うし、そんなカッコイイとも思わない。
でも…
もし彼がヒショウさんを好きだったらと思うと、苦しい、悔しい。
もう、ルナティスさんとは完全な片思いだって知った時みたいに…
「泣き上戸はね、愚痴ったり無理に笑わないでひたすら泣いて飲めば治るよー」
酔っ払いの勢いでそんなことを言って、さっきまで僕にお酒を飲ませないようにしていたルナティスさんがグラスを差し出してきた。
そうやって頭を叩いてくる手は、酔っ払いにしては優し過ぎる。
そうだよ、僕は飲んでないんだから酔って泣き上戸になってるわけがない。
…ルナティスさんは、気付いてもそれを追求したり、誰かに言うような野暮な人じゃない。
ありがとうも言えないくらい泣きながら、渡されたグラスを飲み干した。
まだそれを美味しいとは感じないけど、体が温かくなって頭に熱が上る感覚。
それを求めて、何杯も飲みました。
そして
僕は未成年にして初めて二日酔いというものを体験しました。
あれだけふらふらになってたヒショウさんは朝には元気になってました。
…大人ってすごい。
「はい」
あまり二人きりになる時間は少ない。
いつ何時も油断はしないと皆で示し合わせているから。
だが今日は皆が計らってくれた。
そのプレゼントは姉のレイからで、店売りの小綺麗にラッピングされたクッキーだった。
「…何が喜ぶか、分からなくて、そんなものになった。」
「……。」
同じ顔の弟は口をつぐんで、それを持ったまま動かない。
何か困っている様子に、彼女は首を傾げた。
「シェイ、甘い物は嫌いだったか?」
「いや…」
シェイディは眉間に小さくしわを寄せて、
荷物鞄から小さな袋を出した。
「…プレゼントが、被った」
渡したのとは違うクッキーの袋を受け取り、レイは目を丸くした。
心底驚いた。
プレゼントが同じだったとかそんなことではなく、自分を忌み嫌っていたシェイディがプレゼントなんて用意していたことに。
「…一緒に食べようか。」
「…………なんか滑稽だからいい。」
男二人。
しかも同じ顔がならんでクッキーを食べている。
確かに少し滑稽かもしれない。
「そんなこと言うなよ」
「いいって。やることもあるし…」
「残念だな。二人の時間の方が嬉しいプレゼントになるんだが。」
そう言うと、シェイディは返さずしばし黙り込んだ。
やはり、まだ二人だけになるのは不安もあって嫌だったのかもしれない、とレイは内心苦笑いした。
「…姉さんは」
「うん?」
「姉さんは俺をどう思ってるんだ?」
不意にそんなことを聞かれ、レイは固まった。
「昔俺に執着してたのは分かる。でも何で執着してたか分からない。ただの弟って扱いじゃなかった。」
「そうだな。嫌な思いをたくさんさせた。」
「…ああ、だから俺はてっきり姉さんに憎まれてるのかとも思った。でも今は気遣ってくれるし、そんな恋人まがいな言葉も吐いたりして。」
確かに、正直な気持ちを口にしたのだが、クサかったかもしれない。
「シェイのことが、ただ好きだからだ。」
「…それも、分かる。…ただ…」
シェイディは言いにくそうに口をひきむすぶ。
だが彼が言いたいことは何となく察した。
姉弟として好きなのか。
恋人として好きなのか。
場合によってはレイの好意を受け入れかねるだろうから、シェイディはそれを気にしていたのだ。
唇が自然と笑みを浮かべた。
「姉弟よりも、恋人よりも、私自身よりも」
その笑みはどこか、なにもかもを諦めていた。
「お前を愛してる」
自分と同じ姿をした弟。
彼が自分だったらよかったのに。
この体が別々でなければよかったのに。
世界に二人だけがいればよかったのに。
そう思うくらいに、ただ彼だけを…
「お前の目が私だけを見て、私だけを求めて、私の名前だけを呼べばいい。他の誰にも一切触れられない、私だけのものになればいい。」
「……。」
シェイディは無意識に、身を引いていた。
その様子を見て、レイは表情を和らげた。
「と、昔は思ってたよ。」
「…………今、は」
「今は、シェイにはもっと世界を見て、楽しんで、幸せになってくれたらいい。」
先ほどまでの貪欲な独裁者のような顔とは違う、優しい姉の顔をした。
「もっと賢く、強くなって、自分の道と、仲間を守れるように。…マナを守れるように。」
マナの名前を出した途端に、シェイディの頬に薄く朱が差した。
「私は、その手伝いができればいい。そう思ってるよ。」
ただ、彼を求める気持ちが無くなったわけではないけれど。
彼が自分だけしか見れなくなったら…
そうしたらそれが1番イイとは思うけれど。
「クッキー」
「うん」
「…一緒に、食べるか」
シェイディは恐る恐るといった感じにそう言う。
「………。」
「………。」
「シェイ」
「?」
レイが不意に詰め寄り
「!!!!??」
唇が重なる。
短い悲鳴が上がり、相手を突き飛ばしてシェイディが逃げるように下がった。
「…お前を傷つけることはもうしたくないが、隙だらけであまり可愛いことをしないほうがいい。」
更に、日頃常々思う。
どうせ同じ姿なら、自分が男で弟が妹で生まれてくればよかったのに。
そうしたら、シェイディを抱けたのに。
分かっていたが、それからしばらくは彼の半径1m以内に近付くことが許されなくなった。
あまり二人きりになる時間は少ない。
いつ何時も油断はしないと皆で示し合わせているから。
だが今日は皆が計らってくれた。
そのプレゼントは姉のレイからで、店売りの小綺麗にラッピングされたクッキーだった。
「…何が喜ぶか、分からなくて、そんなものになった。」
「……。」
同じ顔の弟は口をつぐんで、それを持ったまま動かない。
何か困っている様子に、彼女は首を傾げた。
「シェイ、甘い物は嫌いだったか?」
「いや…」
シェイディは眉間に小さくしわを寄せて、
荷物鞄から小さな袋を出した。
「…プレゼントが、被った」
渡したのとは違うクッキーの袋を受け取り、レイは目を丸くした。
心底驚いた。
プレゼントが同じだったとかそんなことではなく、自分を忌み嫌っていたシェイディがプレゼントなんて用意していたことに。
「…一緒に食べようか。」
「…………なんか滑稽だからいい。」
男二人。
しかも同じ顔がならんでクッキーを食べている。
確かに少し滑稽かもしれない。
「そんなこと言うなよ」
「いいって。やることもあるし…」
「残念だな。二人の時間の方が嬉しいプレゼントになるんだが。」
そう言うと、シェイディは返さずしばし黙り込んだ。
やはり、まだ二人だけになるのは不安もあって嫌だったのかもしれない、とレイは内心苦笑いした。
「…姉さんは」
「うん?」
「姉さんは俺をどう思ってるんだ?」
不意にそんなことを聞かれ、レイは固まった。
「昔俺に執着してたのは分かる。でも何で執着してたか分からない。ただの弟って扱いじゃなかった。」
「そうだな。嫌な思いをたくさんさせた。」
「…ああ、だから俺はてっきり姉さんに憎まれてるのかとも思った。でも今は気遣ってくれるし、そんな恋人まがいな言葉も吐いたりして。」
確かに、正直な気持ちを口にしたのだが、クサかったかもしれない。
「シェイのことが、ただ好きだからだ。」
「…それも、分かる。…ただ…」
シェイディは言いにくそうに口をひきむすぶ。
だが彼が言いたいことは何となく察した。
姉弟として好きなのか。
恋人として好きなのか。
場合によってはレイの好意を受け入れかねるだろうから、シェイディはそれを気にしていたのだ。
唇が自然と笑みを浮かべた。
「姉弟よりも、恋人よりも、私自身よりも」
その笑みはどこか、なにもかもを諦めていた。
「お前を愛してる」
自分と同じ姿をした弟。
彼が自分だったらよかったのに。
この体が別々でなければよかったのに。
世界に二人だけがいればよかったのに。
そう思うくらいに、ただ彼だけを…
「お前の目が私だけを見て、私だけを求めて、私の名前だけを呼べばいい。他の誰にも一切触れられない、私だけのものになればいい。」
「……。」
シェイディは無意識に、身を引いていた。
その様子を見て、レイは表情を和らげた。
「と、昔は思ってたよ。」
「…………今、は」
「今は、シェイにはもっと世界を見て、楽しんで、幸せになってくれたらいい。」
先ほどまでの貪欲な独裁者のような顔とは違う、優しい姉の顔をした。
「もっと賢く、強くなって、自分の道と、仲間を守れるように。…マナを守れるように。」
マナの名前を出した途端に、シェイディの頬に薄く朱が差した。
「私は、その手伝いができればいい。そう思ってるよ。」
ただ、彼を求める気持ちが無くなったわけではないけれど。
彼が自分だけしか見れなくなったら…
そうしたらそれが1番イイとは思うけれど。
「クッキー」
「うん」
「…一緒に、食べるか」
シェイディは恐る恐るといった感じにそう言う。
「………。」
「………。」
「シェイ」
「?」
レイが不意に詰め寄り
「!!!!??」
唇が重なる。
短い悲鳴が上がり、相手を突き飛ばしてシェイディが逃げるように下がった。
「…お前を傷つけることはもうしたくないが、隙だらけであまり可愛いことをしないほうがいい。」
更に、日頃常々思う。
どうせ同じ姿なら、自分が男で弟が妹で生まれてくればよかったのに。
そうしたら、シェイディを抱けたのに。
分かっていたが、それからしばらくは彼の半径1m以内に近付くことが許されなくなった。
突き飛ばされ、背中をぶつけた。
その拍子に小棚に置かれていた何かが落ちた。
「優しい顔、なんかするな…」
いつも嘘臭い程穏やかにしている男は豹変している。
目が、座って…どこか酔った風だ。
しかし当然ながら酒気はない。
「優しさを履き違えてる奴は、嫌いなんです」
壁に肩を押し付けられ、至近距離で見下ろされても怖くはなかった。
人を怯えさせるほどの覇気が今の彼にはない。
瀕死で、それでも虚勢を張っているような猫だ。
ふと、ゆっくり彼の顔が近付いてくる。
近すぎて、何も見えなくなった。
思わず彼の肩を掴んだが、突き放すには今の彼は弱すぎて、そのまま砕け散りそうな気さえして。
何もできずに、口付けされるのを許すしかなかった。
「ルナなら、突き放す。」
軽いキスのあとに、低い声で唇にたたき付けられた言葉。
心臓が跳ね上がった。
油断して、ルナティスを裏切った。
「貴方の優しさは、どこかで誰かを傷付ける。」
経験のあることで、何も言えずに体が強張るのを感じた。
「どうせ、優しく受け入れるふりだけして、抱かせてはくれないのでしょう」
「……は!?」
まさか彼がそんなことを考えているとは思わず、ぎょっとして飛び上がった。
そんな様子を馬鹿にしたように鼻で笑って、立ち上がる。
「貴方もさっさと、有無を言わせず諦めるしかないと思わす程に、ルナティスを選んでしまえばいいものを」
口付けの跡を掻き消すように、唇に親指を押し付けて擦ってくる。
ヒショウはうっとおしそうにそれを振り払った。
「なんでもかんでも受け入れるっていう貴方も、神も、嫌気がさすんですよ。」
神職の証である法衣を靡かせ、青年は背徳の言葉だけ残して部屋を出て行った。
━━━━━━━━━
ここがどことか、二人に何があったとかきにしない!
その拍子に小棚に置かれていた何かが落ちた。
「優しい顔、なんかするな…」
いつも嘘臭い程穏やかにしている男は豹変している。
目が、座って…どこか酔った風だ。
しかし当然ながら酒気はない。
「優しさを履き違えてる奴は、嫌いなんです」
壁に肩を押し付けられ、至近距離で見下ろされても怖くはなかった。
人を怯えさせるほどの覇気が今の彼にはない。
瀕死で、それでも虚勢を張っているような猫だ。
ふと、ゆっくり彼の顔が近付いてくる。
近すぎて、何も見えなくなった。
思わず彼の肩を掴んだが、突き放すには今の彼は弱すぎて、そのまま砕け散りそうな気さえして。
何もできずに、口付けされるのを許すしかなかった。
「ルナなら、突き放す。」
軽いキスのあとに、低い声で唇にたたき付けられた言葉。
心臓が跳ね上がった。
油断して、ルナティスを裏切った。
「貴方の優しさは、どこかで誰かを傷付ける。」
経験のあることで、何も言えずに体が強張るのを感じた。
「どうせ、優しく受け入れるふりだけして、抱かせてはくれないのでしょう」
「……は!?」
まさか彼がそんなことを考えているとは思わず、ぎょっとして飛び上がった。
そんな様子を馬鹿にしたように鼻で笑って、立ち上がる。
「貴方もさっさと、有無を言わせず諦めるしかないと思わす程に、ルナティスを選んでしまえばいいものを」
口付けの跡を掻き消すように、唇に親指を押し付けて擦ってくる。
ヒショウはうっとおしそうにそれを振り払った。
「なんでもかんでも受け入れるっていう貴方も、神も、嫌気がさすんですよ。」
神職の証である法衣を靡かせ、青年は背徳の言葉だけ残して部屋を出て行った。
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ここがどことか、二人に何があったとかきにしない!
「ヒショーウ」
「ん?」
「したいー」
「………。」
「駄目?」
「明日、ミサがあるんじゃないのか。」
「10発やった後くらいでも元気で行ける。」
「………。」(←むしろそんなにやられたくない)
「…朝、セイヤが部屋に迎えにきたら」
「僕らが相部屋の時は誰も部屋に来ないだろ。暗黙の了解になってるみたいだよ。」
「………。」(←そんな了解されたくなかった)
「…わかった、していい。」
「っしゃ!!!!久々だから全力で優しくするよ。」
「…本当だな?」
「うん。本当。」
「絶対だな?。」
「絶対、絶対。(初めてじゃないのに、久々だから怖いのかなぁ、可愛い)」
「…じゃあ、ルナティス…する時に、頼みがあるんだがいいか。」
「うんうんwいいよ。何?」
「3分でイけ。」
「…………ぇ」
「優しく俺の身体を労って3分で済ませろ」
「カップラーメン作る早さでイケとか無理!僕、早漏じゃないし!」
「絶対って言っただろ。」「出来ることと出来ないことが…」
「じゃあしないか。」
「する!」
「OK、3分だからな。越えたら一分につき金とるか一発づつ殴るからな。」
「ヒィィィ!!!!(汗)」
無事に3分で終わったかは謎。
―――――――――――――――
喘いでる自分が嫌いなので、見せたくない。
それで興奮するルナティスが理解できない。
むしろ無理してると思ってる。
なので3分なら喘ぐのを我慢できるかもと考えた。
そんなヒショウ。
「ん?」
「したいー」
「………。」
「駄目?」
「明日、ミサがあるんじゃないのか。」
「10発やった後くらいでも元気で行ける。」
「………。」(←むしろそんなにやられたくない)
「…朝、セイヤが部屋に迎えにきたら」
「僕らが相部屋の時は誰も部屋に来ないだろ。暗黙の了解になってるみたいだよ。」
「………。」(←そんな了解されたくなかった)
「…わかった、していい。」
「っしゃ!!!!久々だから全力で優しくするよ。」
「…本当だな?」
「うん。本当。」
「絶対だな?。」
「絶対、絶対。(初めてじゃないのに、久々だから怖いのかなぁ、可愛い)」
「…じゃあ、ルナティス…する時に、頼みがあるんだがいいか。」
「うんうんwいいよ。何?」
「3分でイけ。」
「…………ぇ」
「優しく俺の身体を労って3分で済ませろ」
「カップラーメン作る早さでイケとか無理!僕、早漏じゃないし!」
「絶対って言っただろ。」「出来ることと出来ないことが…」
「じゃあしないか。」
「する!」
「OK、3分だからな。越えたら一分につき金とるか一発づつ殴るからな。」
「ヒィィィ!!!!(汗)」
無事に3分で終わったかは謎。
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喘いでる自分が嫌いなので、見せたくない。
それで興奮するルナティスが理解できない。
むしろ無理してると思ってる。
なので3分なら喘ぐのを我慢できるかもと考えた。
そんなヒショウ。
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