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*小説を携帯などからUPするスペースです。(かなり自分用です。)   *小話からプチ長編や、本編もちょくちょく更新すると思われます。   *かなりぶつ切りです。   *携帯からの更新故にあまり整理はできません(笑)   *携帯にも対応しています。   *コメントでの感想なども歓迎です。
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「……。」
アサシンは闇に生きるものだ。
彼が言っていた。
おれもいつかアサシンになるから家の中は暗い。
でも、外は明るいと知ってる。
家の出口は板がしてあっておれにはあけられない。
ハコみたいだけど、少しあながあって外の光が見える。

そこの近くで、目をつむる。



声がきこえる。
男の人の声。

はなしてるわけじゃない。一人みたいだ。
でもずっと声はしてる。
ふしぎな声。
きれいだ。


誰か、近くで歌ってる。


いい声だ、初めて聞いた、いい声。

「……。」

まねして声を出すふりをした。
声をどうやって出すのか、俺は知らない。

あんなきれいな声、だせないにきまってる。



胸が、いたかった。
でもいたいのを、あの声がなおしてくれる。
ずっときいていたいと思った。






あの時聞いた歌が、今辺り一面に響いていた。
祝福のように。
俺にそんな資格がないのはわかってる。

でもその歌声の壮大さと美しさに勘違いさせられる。
それは教会の聖歌隊の賛美歌。

温かい。
温かすぎて胸が苦しい。



「祝福を受ける資格のない者なんついません。」
マントでアサシン装束を隠して参拝の席に座っていた、俺の隣には本来ならあそこで歌ってる筈のプリースト、グローリィがいる。

彼が賛美歌の合間に説く。
「しかしこの歌にそんな風に感銘する者は」
彼の細い指先が、涙が滲みそうになっていた俺の目尻に触れた。

「汚れなく優しい、でも渇いた魂を持ってるのでしょうね。」
彼の声は賛美歌の一部のように心に響く。
「そんな人にこそ、祝福は実に有意義でしょうね。」


汚れなく優しいなんて、嘘だ。
でも渇いてるのは、事実かもしれない。
光の世界を望んで、近付いている筈なのに、まだ俺は闇から逃げきれていない。

でも今は
あの時望んだ歌声にこんなにも包まれているから、それだけで満たされた。



「そんなにグロリアが好きなら、私も練習しておきます。」
グローリィの歌声は殺人的だ。

『…遠慮しておく』
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