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今日は何処にも行かないことにした。
俺が部屋出なければ、ルナティスもたいてい部屋を出ない。

俺が少し音や言葉が欲しい時はルナティスがくれる。
本を読んでいる時は彼も読む。

「本、取って」
「どれがいい」
「んー…ゾルーク、ハーン、アシェラルド以外」

同じ部屋、隣で読書していても案外彼とは本の趣味が合わない。
心理学、哲学、叙情詩、その辺り、純文学的なものを彼はあまり読まない。
好むのは随筆、歴史書、論文、小説の類だ。

「昨日、詩集を買ったが。」
「詩はいいよ。」
「嫌いなのか。」
「嫌いじゃないよ、詩って詩人の人生の大事な所の切り貼りだったりするし、共感反感にしろあれこれ考えさせられるから面白い。」

彼が前半口にしたのは、有名な詩人の明言だ。
やっぱり、結構好きなんじゃないか。

「ならなんで読まないんだ。」
「考えさせられて、自分の在り方を疑問に思うから。」


思わず、黙り込んでしまった。
彼を凝視してしまう。
ルナティスは微笑んで、棚にある本から作家を名指しして小説を指名した。


「僕は、何も考えずに僕でいたいんだよ。
結局僕であることに変わりはないのに、名著書である程考えさせられるから。」



“何も考えずに居るようで
実は彼は誰よりも考えている。
詩を読まないのは
彼自身が既に詩的であるからじゃないか。”

俺は低知能な頭でそんな事を思った。



ルナティスは小説を読みながら、俺と肩が触れ合うところにいる。
本を読みながら、思考には常に俺を置いて。
決して他人が綴った文章には、他人が本に込めた思いには飲み込まれないのだ。




____________


ゲーテの詩を読んでいたら何となく
詩的な流れにしたくなった。
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