*小説を携帯などからUPするスペースです。(かなり自分用です。)
*小話からプチ長編や、本編もちょくちょく更新すると思われます。
*かなりぶつ切りです。
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*コメントでの感想なども歓迎です。
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音を紡ぎ、奏でる
詩を紡ぎ、唄う
まだ誰にも披露できない歪な形の歌。
「人は人の力でしか人らしく成り得ない」
浮かび上がる歌詞を唇に乗せていた時のこと。
俺はそれを口ずさみ、自分で驚いて固まった。
吟遊詩人が唄うのは彼らが生きた世界の真理と摂理。
それが正しいかは誰にも分からないけれど。
俺が唄うのは俺が見出した真実。
しかしそれは、違う言葉で塗り替えられる
「ならば“あれ”は」
歌でも詩でもなく、それは俺の疑問だった。
「人らしくあらぬ“あれ”は、人を知らぬのか」
思わず口をついてでる“あれ”とは、ある男のことだ。
血の臭いを纏い
子供のように微笑み
破壊と死を望むあの男
死にたいのだと
殺して欲しいのだと言う
人なら、生き物なら有り得ない言葉
ならあれは
人に触れられなかったから
人らしくいることを知らないのか
『アンタに殺して欲しいんだよ』
「他の奴らに頼め」
『殺されるならアンタがいいと思ったんだ。アンタしかいない。』
殺す事に飽きた男は
殺されることを望み
最高の死を望みだしたという。
それが、気に入った人間に殺されること。
そしてその心に永く住み着くこと。
「だがそもそも…お前は“生きた”ことがあるのか?
人に触れたことがあるのか……?」
「いらないよ、そんな気遣い」
いつも人を舐めたように笑う男が、どこか萎縮して見えた。
ただ「一緒に暮らしてやろうか」と言っただけだ。
「俺は一人暮らし派だし、部屋すぐに散らかすもん」
「どうせあの家は知り合いに貸して、放浪する。」
「…てことは、俺も一緒に連れまわすの?」
「当然だ、どうせ定職なんかないだろ。話から察するに、もう廃業後らしいし。」
もう、彼は汚い仕事から手を引いている。
これ以上手を汚したくないと思ったからではない。
引かせられたか、ただ単に飽きたから。
「俺に殺してと毎日毎日ぐだぐた言いにくるならいっそいつも隣に居て言ってみろ。」
「それができないならもう二度と付き纏うな、って?」
参ったなあなんて苦笑いしてる男を一刀両断する言葉を放ってやった。
「いや、それも許さない。お前は俺についてくる。決定事項だ。」
今日顔を合わせてから、彼は一度もふざけていない。
うっかり「一人寝が寂しくて俺が恋しくなった?」とでも言えば俺に逆手にとられて道連れ決定が目に見えてるからだろう。
「…来い。」
こんな男に対して、誘いの言葉を言うことになるなんて思いもしなかった。
まだボケッと突っ立ってる奴に更に言ってやる。
「俺に殺して欲しいんだろう。」
痺れを切らして、彼の腕を引っつかんだ。
「…殺し文句、だねー」
アサシンのその声にはどこか余裕がなかった。
それが気分がよくて、思わず口元に笑みが張り付いた。
思えば、コイツに向かって怒りや無感情以外を向けるのは初めてだ。
詩を紡ぎ、唄う
まだ誰にも披露できない歪な形の歌。
「人は人の力でしか人らしく成り得ない」
浮かび上がる歌詞を唇に乗せていた時のこと。
俺はそれを口ずさみ、自分で驚いて固まった。
吟遊詩人が唄うのは彼らが生きた世界の真理と摂理。
それが正しいかは誰にも分からないけれど。
俺が唄うのは俺が見出した真実。
しかしそれは、違う言葉で塗り替えられる
「ならば“あれ”は」
歌でも詩でもなく、それは俺の疑問だった。
「人らしくあらぬ“あれ”は、人を知らぬのか」
思わず口をついてでる“あれ”とは、ある男のことだ。
血の臭いを纏い
子供のように微笑み
破壊と死を望むあの男
死にたいのだと
殺して欲しいのだと言う
人なら、生き物なら有り得ない言葉
ならあれは
人に触れられなかったから
人らしくいることを知らないのか
『アンタに殺して欲しいんだよ』
「他の奴らに頼め」
『殺されるならアンタがいいと思ったんだ。アンタしかいない。』
殺す事に飽きた男は
殺されることを望み
最高の死を望みだしたという。
それが、気に入った人間に殺されること。
そしてその心に永く住み着くこと。
「だがそもそも…お前は“生きた”ことがあるのか?
人に触れたことがあるのか……?」
「いらないよ、そんな気遣い」
いつも人を舐めたように笑う男が、どこか萎縮して見えた。
ただ「一緒に暮らしてやろうか」と言っただけだ。
「俺は一人暮らし派だし、部屋すぐに散らかすもん」
「どうせあの家は知り合いに貸して、放浪する。」
「…てことは、俺も一緒に連れまわすの?」
「当然だ、どうせ定職なんかないだろ。話から察するに、もう廃業後らしいし。」
もう、彼は汚い仕事から手を引いている。
これ以上手を汚したくないと思ったからではない。
引かせられたか、ただ単に飽きたから。
「俺に殺してと毎日毎日ぐだぐた言いにくるならいっそいつも隣に居て言ってみろ。」
「それができないならもう二度と付き纏うな、って?」
参ったなあなんて苦笑いしてる男を一刀両断する言葉を放ってやった。
「いや、それも許さない。お前は俺についてくる。決定事項だ。」
今日顔を合わせてから、彼は一度もふざけていない。
うっかり「一人寝が寂しくて俺が恋しくなった?」とでも言えば俺に逆手にとられて道連れ決定が目に見えてるからだろう。
「…来い。」
こんな男に対して、誘いの言葉を言うことになるなんて思いもしなかった。
まだボケッと突っ立ってる奴に更に言ってやる。
「俺に殺して欲しいんだろう。」
痺れを切らして、彼の腕を引っつかんだ。
「…殺し文句、だねー」
アサシンのその声にはどこか余裕がなかった。
それが気分がよくて、思わず口元に笑みが張り付いた。
思えば、コイツに向かって怒りや無感情以外を向けるのは初めてだ。
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